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Case Study|株式会社ケービデバイス

株式会社ケービデバイスは、防犯カメラシステムの開発・製造・販売から、サービスに至るまでを、グループ会社とともに一貫して提供する企業である。同社は京都に本社を構え、北は北海道から、南は鹿児島まで主要9都市に事業所・営業所を持ち、最先端の防犯カメラシステムの販売やサポートを全国に提供している。この同社が、2014年3月に開催された「SECURITY SHOW 2014」において、4Kモニタを使った防犯カメラシステムを展示し、同システムの販売に乗り出した。

現在、防犯カメラシステムは、街中や大型商業施設、公共施設、集合住宅に加え、個人宅でも積極的に導入されるなど、その裾野は確実に広がっている。その用途は、犯罪の防止にとどまらず、複数の防犯カメラを連係させることで災害時にもっとも安全な避難ルートを誘導することなどにも役立てられるまでになっている。

株式会社ケービデバイスの主力製品は、昔ながらのアナログ方式の防犯ビデオカメラと、ネットワークによるビデオ映像送信を可能にするIPカメラの2種類。いずれのカメラにも、レコーダを組み合わせることで複数台のカメラの映像を録画・保存するだけでなく、それら映像をデジタルデータとして、監視室などのクライアントPCに配信することができる。

同社で製品管理を担当する野口覚氏(業務部 製品管理課 副主務)は、「最近は、IPカメラの普及が加速しているが、暗所の撮影性能の優れたアナログ方式に対する需要も多い」と、防犯カメラシステム市場では、用途や設置場所に応じたカメラ性能が求められていると語る。また、同氏は「防犯カメラのトレンドとしては、やはり高解像度化が求められる傾向にある」と説明。街灯に設置した防犯カメラの映像が高解像度化することで、不審車両のナンバープレートまで鮮明に読み取れるようになり、犯罪検挙にも活躍していると言う。


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noguchi株式会社ケービデバイスは、SECURITY SHOW 2014で4K監視システムを披露するとともに受注を開始した。
最新の防犯カメラシステムについてお話を伺った同社の野口覚氏


■4Kディスプレイ対応CMSの導入

その一方で、野口氏は「防犯カメラが一般にも普及しはじめたことで、それらの映像をチェックする担当者が、熟練の警備員だけであった昔とちがって、今は一般の方々が担当するケースも増え始めている」と指摘。さらに、「最近は防犯カメラの設置数が飛躍的に増えており、大型商業施設や公共施設では4、50台、一般商店や工場でも16台前後を導入しているケースが多い」とし、「これらすべての映像を、一人、または二人で監視するとなると、個々の映像の解像度を高め られる高解像度ディスプレイへの対応が必要になる」と説明する。

そこで、株式会社ケービデバイスでは、同社の防犯カメラシステムを管理す る「集中管理システム(CMS:Central Management System)」を刷新し、映像解像度を自由に変更できるようにすることで、4Kディスプレイ(3840×2160ピクセル、または4096×2160ピ クセル)に対応。より精細な映像を表示できる環境を提供することで、熟練の警備員以外でも不審な動きや異常を察知しやすくしようというわけだ。

今年の「SECURITY SHOW 2014」において同社が公開した4Kモニタを使った防犯カメラシステムは、アナログカメラシステムとIPカメラシステムの映像を、同社の集中管理システ ムが4Kモニタで表示し、非常スイッチと連動したIPカメラの映像がポップアップで大きく表示されるというもの。この集中管理システムを動かすクライアン トPCに、同社は4Kディスプレイ表示に最適なAMD FirePro W600を採用した。

野口氏は、「4K監視システムに興味を持っ てくださるのは、大規模案件が多く、このような案件では見積もりから販売まで6カ月から1年かかることも多い。このため、民生品だと納品時にはすでに終売 になっているケースもある。そこで、4Kディスプレイ出力に対応でき、供給スパンも長い製品を探していて、AMD FirePro W600にたどり着いた」と語る。むろん、監視システムは24時間365日稼働し続けることになるため、信頼性はもちろん消費電力も気になるとして、 「AMD FirePro W600が補助電源不要であったことも好印象だった」と振り返る。
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株式会社ケービデバイスぼ防犯カメラ製品群

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4Kディスプレイにも対応する同社の集中管理システム


■より直感的に防犯カメラを管理できる4K監視システム

野口氏は「4Kディスプレイなら、64台の防犯カメラ映像をタイル表示させても、ひとつひとつの映像がQVGA(320×240ピクセル)で表示できるため、どのような動きがあるか視認しやすい」と説明。
また、監視システムになれていない一般ユーザーの場合、監視対象となる防犯カメラの台数は限られるため、映像の解像度を高めて、もっと見やすい集中管理システム表示にすることもでき、「4Kディスプレイなら、フルHDのビデオ映像を4画面同時に表示できるのもメリットだ」と言う。

株式会社ケービデバイスでは、この集中管理システムを同社の防犯カメラシステム導入者に無償で提供している。ただし、同集中管理システムがサポートする防犯カメラシステムは同社製品に限られるが、レコーダーの映像配信制御や、非常スイッチやセンサーとの連動機能など、同社製品でなければ利用できない機能がほとんどであるため、これも当然というべきところであろう。また、この集中管理システムには「E-map」と呼ばれる、カメラを設置した場所が分かるマップ表示機能も備えられており、E-map上のカメラをクリックすれば、その映像を拡大表示させたといった使い方ができるなど、熟練警備員でなくとも、直感的に管理できる環境が整えられている。

野口氏はまた、「最近は大型店などでは、各地の店舗の防犯カメラ映像を東京の本社など、遠隔地で管理するケースも増えてきており、より多くの映像を監視するシステムも増えている」と、現状の防犯カメラシステムのトレンドを分析。「現在は、まだまだ4Kディスプレイは高価なため、1、2台導入するのが限度だろう」として、しばらくは4KディスプレイとフルHDディスプレイの組み合わせたシステムからのスタートを考えている顧客が多いとみている。しかし、AMD FirePro W600であれば、mini DisplayPortを6系統備えており、将来的に最大6台の4Kディスプレイを接続できるアップグレード性もある。

株式会社ケービデバイスでは、防犯カメラシステムの普及にともない、防犯以外の用途にも積極的に同システムを利用していこうと考えている。たとえば、集中管理システムのE-mapと弊社の防犯カメラを組み合わせれば、「火災発生時などには、火元に近い防犯カメラのアラームを一斉に鳴らしつつ、火元からもっとも遠い防犯カメラのスピーカーを使って、避難指示のアナウンスを行なうといったことも容易になる」と野口氏が言うように、アラームやスピーカー機能を、より直感的に制御することができれば、防犯のみならず避難誘導などにも役立てることができる。そのためには、「より多くの人々が利用しやすい監視システムを構築する必要がある。その上で、4Kディスプレイへの対応は、その一歩となるだろう」と、監視システムの4Kディスプレイ対応の重要性を訴える。
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4Kディスプレイ対応のクライアントPCには、AMD FirePro W600を採用。最大で6台の4Kディスプレイを接続できる拡張性を確保している。野口氏は、同社がAMD FirePro W600を選択したのは、供給の長さと信頼性、そしてすぐれた消費電力性能だと言う。

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同社の集中管理システムでは、より直感的に監視カメラを制御できるE-map機能も装備する。